この記事は、こんな人におすすめです。
- 仕事を辞めたいが、経済的に不安がある
- 体調を崩し、働き続けることができない
- 傷病手当が実際にどれくらいもらえるのか知りたい
私は、育休復帰後フルタイムパートで働き、8か月後に体調を崩し休職しました。その後復帰はできず、そのまま退職。休職中に申請していた傷病手当金を退職後も継続して受け取っています。
この記事では、傷病手当金の申請や受け取りについて解説するとともに、実際の支給額も公開します。
傷病手当金とは
傷病手当金は、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するための制度で、病気やけがのために会社を休み事業主から十分な報酬を受けられない場合に支給されます。
傷病手当金の支給条件
支給条件は以下の4つです。
※全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入している方への制度です。国民健康保険では利用できません。
- 業務外の事由により病気やけがの療養のための休業であること
- 仕事につくことができないこと
- 連続する3日間を含み4日以上仕事につけなかったこと
- 休業した期間について給与の支払いがないこと
つまり、医師の診断のもと、4日以上連続して休んだ場合に傷病手当金を受け取ることができます。医師による診断が必要となり、初診日から計算されます。最初の3日間は待機期間となり傷病手当金は受給できませんが、有休は使用できるので申請してください。また、受給期間は、支給を開始した日から通算して1年6か月までとなります。
その他の手当てと傷病手当金を同時に受給することはできません。出産手当金や、労災保険を申請する場合は注意してください。
傷病手当金の支給額
傷病手当金は支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準月額を平均した額÷30日×2/3で計算される額が一日分として支給されます。だいたい給料の3分の2と考えておけば大丈夫です。
傷病手当は最長で1年6か月受給できます。
傷病手当金の申請方法
傷病手当金の申請は、申請書の提出によって行います。申請書は、自分で記入する用紙と、事業主、医師に記入してもらう用紙があります。
- 全国健康保険協会のHPより傷病手当金支給申請書をダウンロード(計4枚)
- 療養担当者用紙を通院している病院に提出し記入してもらう
- 事業主記入用紙を会社に提出し記入してもらう
- それぞれの用紙が準備できたら、管轄の協会けんぽ支部に郵送または持ち込む
原因となった病気やけがによっては、追加書類が必要となる場合があります。書類に不備がある場合は、支給までに時間がかかったり、支給されなくなることもあるので、お気を付けください。
申請後、初回の振り込みまでに約2週間〜1か月ほどかかる場合があります。
傷病手当金は退職後も受給できる?
結論から言うと、傷病手当金は退職後でも受給できます(資格喪失後の継続給付)。
ここでは、退職後の受給条件と申請の注意点を解説します。
退職後に傷病手当金を受給できる条件
・被保険者の資格喪失をした日の前日(退職日)までに継続して1年以上の被保険者期間 (健康保険任意継続の被保険者期間を除く)があること。
・資格喪失時に傷病手当金を受けているか、または受ける条件を満たしていること。
(なお、退職日に出勤したときは、継続給付を受ける条件を満たさないために資格喪失後(退職日の翌日)以降の傷病手当金はお支払いできません。)全国健康保険協会より引用
つまり、休業後、退職日含め一度も出勤せずに退職しており、退職後も同一の病気やけがで療養していることが必要です。また、連続した1年以上の保険加入期間がない場合は、退職後の受給はできません。(※1)
(※1)休職中の受給は可能です。計算方法が異なります。
退職後に申請する際の注意点
退職後も申請する場合、申請書の事業主記入用紙は白紙で提出します。記入してもらう必要はないので、必ず4枚1組で提出してください。
また、退職後の申請でも、退職前の健康保険証の番号が必要となるので、保険証を返却する前にメモを残すか写真を撮るなどして番号を控えるようにしてください。
なお、受給期間の上限に変更はありません。(最長1年6か月)
自分が退職後の継続給付の対象かわからない場合は、管轄の協会けんぽ支部に電話をすると詳しく教えてくれます。
退職後に支給対象外だったとならないように事前に確認することをおすすめします。
- 申請書は、事業主記入欄は白紙のまま、必ず4枚1組で提出する。
- 健康保険証を返却する前に、記号を控えておく。
- 退職後に受給できるかは事前に電話で確認する。
傷病手当金を受給した経験談
私が、傷病手当金を受給した際の、病名や支給額などを含めた体験談をお伝えします。
休職した際の診断名は?
私が受けた診断は、「適応障害」。
当時、看護師として働いていました。1年間の育休後、フルタイムパートで復帰し、8ヶ月経った頃に、会社に行けなくなりました。原因ははっきりしていて、人間関係やパワハラによる精神的不調でした。
仕事に行けなくなる数か月前から不調は感じていました。腹痛、下痢、頭痛、不眠、会社についても車から降りられないなどの症状がありました。
心療内科に行き、先生から「適応障害で診断書出しとくから、会社に提出して休職してください。」と告げられました。これまでの職場でのあれこれを話すと、先生が教えてくれました。
「正直、その職場に復帰する選択肢はないと思う。休職したら、傷病手当も受け取れるしそのまま退職もできる。満期がきたら失業保険に切り替えることもできる。今は休む時です。」
当時の会社は休職できる期間が2か月までと決められていたので、短期間で回復するはずもなく、その後退職することにしました。
精神的なものにより休職したい場合は、多くのケースで「適応障害」の診断を受けるよ!心療内科の先生は味方なので、自分がどうしたいか伝えることが大切だよ!
実際の傷病手当金の支給額
休職して1か月経過した頃に初回の申請をしました。ポストに投函してから口座に振り込まれるまでは、1週間でした。
退職後も継続して申請し、無事に振り込まれています。毎回申請から1週間程度で振り込まれます。
そんな私の傷病手当金の支給額は、およそ、月206,000円です。
元々の給料は月15~30万でした。(時給2,000円、欠勤や早退がありばらつきが大きいです。)
ここから、国民健康保険と国民年金を支払っています。
注意してほしいのは、家族の扶養に入ると傷病手当金は受給できません。
健康保険は国民健康保険に切り替えるか、もともと加入していた健康保険の任意継続かを選択できます。どちらが支払額が多いかは人によって変わるので、役所で直接確認することをおすすめします。
国保に切り替えた場合の支払額は役所に行くと教えてくれるよ!
任意継続の場合も、会社の担当に聞いてね!
傷病手当金まとめ
- 傷病手当金は退職後も受給できる
- 実際の支給額は20万円以上
- 傷病手当金で退職後の経済的不安も軽減できる
実際の体験談と支給額を解説してきましたが、いかがでしたか?
働けなくなっても、様々な制度を利用することで経済的不安を軽減することができます。
体調が悪いのを見て見ぬふりをすると、限界を通り越して、長期間働けなくなる可能性があります。
自分のSOSを無視せず、思い切って休んでみるのも一つです。
わからないことがあれば、役所や協会けんぽ、会社の社労士さんなどに聞くと教えてくれるので、聞いてみてください。
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